自分の意志に関係なく、両目のまわりの筋肉が勝手に痙攣(けいれん)し、目が開けにくくなる病気です。
眼瞼けいれんの症状は目に現れますが、原因は目やまぶたにあるのではなく、脳内から正しい指令が伝わらず、目の開閉がうまく機能しなくなるものです。
50~70歳代の、特に女性に多くみられる病気でが、まれに、20歳代でも起こることがあります。また、女性のかかる割合は、男性の約2倍といわれています。
過剰なストレスや一部の睡眠導入薬が誘因になることもありますが、普通に生活している方にも多い病気です。
■眼瞼けいれんの症状
初期には、まぶしい、目をつぶっていた方が楽、目の乾き、目がショボショボするなど、ドライアイに似た症状がみられます。
更に進行すると、自分の意志で目を開けようとしても、目を開けられなくなり、手を使って開けなければならないようなこともあります。
■眼瞼けいれんの治療法
■ボツリヌス療法
眼瞼けいれん、片側顔面けいれんの治療として、ボツリヌス療法があります。
この治療法は、緊張している筋肉に緊張をやわらげるお薬(ボツリヌストキシン)を注射することで痙攣(けいれん)や収縮の原因になっている神経の働きを抑え、緊張しすぎている筋肉を緩めるものです。
この治療法は世界80カ国以上(2012年10月現在)で許可され、広く用いられています。
日本では現在、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸などの病気の治療法として許可され、保険適用されています。尚、お薬の効果はおよそ2~4カ月です。
※効果の期間には個人差がございます。
まれに、お薬の効きすぎで「目が閉じにくくなる」、「まぶたが下がる」などの副作用が起こることがありますが、いずれも一時的なものです。このような症状が現れた際は、医師にご相談ください。
■内服薬による治療
眼瞼けいれん、片側顔面けいれんのいずれにも、筋弛緩薬、抗てんかん薬、抗不安薬などの内服薬を使うことがあります。